フォアブンカー
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フォアブンカー(独: Vorbunker)は、アドルフ・ヒトラーとその護衛・使用人が使う一時的な防空壕として設計された、ドイツ・ベルリンの地下コンクリート施設である。ドイツ語で "vor-" という接頭詞には「前面の」「手前の」という意味が存在し、"Bunker" は防空壕や掩体壕を指す。フォアブンカーは、1936年に総統官邸を増築して作られた巨大レセプションホールの地下にあった。地下壕は1943年まで「総統官邸防空壕」(英: Reich Chancellery Air-Raid Shelter)との正式名称だったが、この年、1階下に総統地下壕が増築され、改称されている[1]。フォアブンカーという新名称は、総統地下壕の手前にある付帯施設というニュアンスとなった。
1945年1月16日にヒトラーが総統地下壕へと移住したのに引き続き、マルティン・ボルマンやヨーゼフ・ゲッベルスをはじめとしたヒトラーの側近たち、エーファ・ブラウンとヨーゼフ・ゲッベルスも総統地下壕へと移った。しかしながら、マクダ・ゲッベルスとゲッベルス家の子どもたちはこのフォアブンカーへと転入した。ゲッベルス家の8人は、1945年5月1日にフォアブンカーで死亡した[2]。第二次世界大戦後、総統官邸と共に地下壕も取り壊された。