![cover image](https://wikiwandv2-19431.kxcdn.com/_next/image?url=https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/64/FKPPwiki.jpg/640px-FKPPwiki.jpg&w=640&q=50)
フィッシャーの方程式
ロナルド・フィッシャー(およびアンドレイ・コルモゴロフ)の名にちなむ偏微分方程式 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
![]() |
「フィッシャーの交換方程式」あるいは「フィッシャー方程式」とは異なります。 |
数学におけるフィッシャーの方程式(フィッシャーのほうていしき、英: Fisher's equation)あるいはフィッシャー=コルモゴロフ方程式またはフィッシャー=KPP方程式として知られる方程式は、ロナルド・フィッシャー(およびアンドレイ・コルモゴロフ)の名にちなむ、次の偏微分方程式のことを言う:
![Thumb image](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/64/FKPPwiki.jpg/640px-FKPPwiki.jpg)
フィッシャーはこの方程式を、優性アレルの空間伝播を表現するために提唱し、その進行波解を発見した[1]。任意の波速度 c ≥ 2 に対し、フィッシャーの方程式には次の形式で記述される進行波解が存在する:
ここで は増加函数であり、
が成立する。すなわち、この解は平衡状態 u = 0 からもう一つの平衡状態 u = 1 へと移るものである。但し、c < 2 に対してはそのような解は存在しない[2][3][4]。与えられた波速度に対し、その波形は一意に定まる。
特別な波速度 に対して、すべての解は閉形式
で記述される[5]。ここで は任意であり、上述の極限についての条件は
に対して成立する。
フィッシャーの方程式は、ことによると、半線型反応拡散方程式
の最も簡単な例かも知れない。ここでその方程式は、 で与えられる平衡状態の間を移る進行波解を見せるものである。そのような方程式は、例えば、生態学、生理学、燃焼、結晶化、プラズマ物理、および一般的な相転移の問題において現れる。
進行波解の存在の証明や、それらの性質の解析は、しばしば位相空間法によって行われる。