デング熱
熱帯病の一つ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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デング熱(デングねつ、まれにデンゲ熱とも、英: dengue fever [ˈdɛŋgi -], breakbone fever)とは、デングウイルス(w:Dengue virus)が原因の感染症であり、熱帯病の一つである。 蚊の吸血活動を通じて、ウイルスが人から人へ移り、高熱に達することで知られる一過性の熱性疾患である。症状には、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛、はしかの症状に似た特徴的な皮膚発疹を含む。
デング熱 | |
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デング熱で見られる典型的な発疹 | |
概要 | |
診療科 | 感染症内科学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | A90 |
ICD-9-CM | 061 |
DiseasesDB | 3564 |
MedlinePlus | 001374 |
eMedicine | med/528 |
Patient UK | デング熱 |
デング熱 | |
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別称 | dengue fever |
概要 | |
診療科 | 感染症 |
症状 | 発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛・嘔吐・下痢など |
原因 | デングウイルス |
合併症 | デング出血熱、心筋炎、脳炎、ギラン・バレー症候群など |
治療 | 輸液による全身状態の改善など |
予後 | デング熱全体の致死率は低いが、デング出血熱の致死率は高い。 |
分類および外部参照情報 | |
Patient UK | デング熱 |
治療方法は対症療法が主体で、急性デング熱にはいま起きている症状を軽減するための支持療法 (supportive therapy, supportive care)が用いられ、軽度または中等度であれば、経口もしくは点滴による水分補給、より重度の場合は、点滴静脈注射や輸血といった治療が用いられる。ただ稀ではあるが、生命を脅かすデング出血熱に発展し、出血、血小板の減少、または血漿(けっしょう)漏出を引き起こしたり、デングショック症候群に発展して出血性ショックを引き起こすこともある。
主な媒介生物はヤブカ属の中でも特にネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)などの蚊によって媒介される。このウイルスには4つの異なる型があり、ある型に感染すると、通常その型に対する終生免疫を獲得するが、他の型に対する免疫は短期間にとどまる。また、異なる型に続けて感染すると、重度の合併症のリスクが高まる。
デング熱が文献に現れるようになったのは1779年からであり、ウイルスが原因であることや伝染経路について解明されたのは、20世紀初頭である。第二次世界大戦以降、デング熱は世界的に広まり、1960年代からその発生数は急激に増加している。現在では、110か国以上で毎年およそ5000万人から1億人が感染する風土病となっている。うち70%がアジアで、インドは全世界の34%を占める世界一の感染者数を持つ。また「実際の感染規模は政府公表の数百倍を超える」とする専門家もいる[1]。
主な原因として、急激な都市化や地球温暖化、また国際化による人の往来の増加による感染拡大が関与していると考えられている。対策としては、蚊の駆除の他に、ワクチンの研究やウイルスに直接働きかける薬物治療の研究が進められている。