テラプレータ
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テラプレータ(Terra preta、ポルトガル語発音: [ˈtɛʁɐ ˈpɾetɐ]、ポルトガル語で「黒土」の意味)は、アマゾン盆地に見られる非常に黒く肥沃で、数千年前に先住民により人為的に醸成された土壌(アントロソル)の一種であり、「アマゾンの黒土」や「インディアンの黒土」とも呼ばれている。[1] ポルトガル語の正式名称は「テラプレータ・ド・インディオ」または「テラプレータ・デ・インディオ」(「インディオの黒土」の意味)である。テラプレータに似た名前の土壌テラムラータ(「ムラート土」)はより軽く茶色がかった色をしている。[2]
テラプレータは低い肥沃度のアマゾンの土壌に木炭、骨、砕かれた陶器、堆肥、および肥料を添加して作られたものである。[1] これは先住民の土壌管理とスラッシュアンドチャー農法の産物であり[3] 、その特徴的な黒い色は風化したバイオ炭に由来する。[4] そのバイオ炭は安定で数千年にわたって土壌に残り、ミネラルと栄養素を結合し保持する。[5][6] テラプレータ土壌は、紀元前450年から紀元950年までの間に農耕共同体によって作られた。[7][8] 土壌の深さは最大2メートル(6.6フィート)に達する。1年間で1センチメートルずつ自己再生する。[9]
テラプレータは以下の特徴を有する:
- 低温で生成された木炭の残渣が高密度で存在している[4]
- 陶器の破片が多く含まれている
- 植物の残渣、動物の糞、魚や動物の骨などの有機物、および窒素、リン、カルシウム、亜鉛、マンガンなどの栄養素が豊富である[10]
テラプレータのような肥沃な土壌は、特定の生態系内で高い微生物活動および他の特定の特性を示す。
一般的にはテラプレータの地域はテラコム(または「コモン・ソイル」)と呼ばれ、主にアクリソル[10]、フェラルソル、アレノソルなどの不毛な土壌に囲まれている。[11] アマゾンでスラッシュアンドバーン農法処理された土壌は、養分が雨や洪水によって消耗または流出されてしまい、農作上生産的なのは短期間だけなため、農民は新たな土地に移住して再び同じスラッシュアンドバーンを繰り返し、著しい環境破壊を引き起こす。[12][13] 一方スラッシュアンドチャー農法で作られるテラプレータは対照的に高濃度のバイオ炭、微生物、有機物を含み、栄養分、ミネラル、微生物を蓄積し、流出に耐えるので新たな土地を破壊することは少ない。(「バイオ炭#スラッシュアンドチャー農法」も参照)