ダイレクト向かい飛車
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ダイレクト向かい飛車とは、将棋の戦法。振り飛車に分類され、向かい飛車戦法の一種であるが、角交換も辞さない、もしくは角交換が前提の力戦振り飛車(角道を止めない振り飛車)である[1][2]。2011年(平成23年)頃からプロでの採用数が増え始め、2013年(平成25年)には大流行を見せた[2]。
△持駒 角
9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | |
香 | 桂 | 銀 | 金 | 王 | 金 | 桂 | 香 | 一 | |
飛 | 二 | ||||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 銀 | 歩 | 歩 | 三 |
歩 | 四 | ||||||||
五 | |||||||||
歩 | 歩 | 六 | |||||||
歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 歩 | 七 | ||
銀 | 玉 | 銀 | 飛 | 八 | |||||
香 | 桂 | 金 | 金 | 桂 | 香 | 九 |
▲持駒 角
ダイレクト向かい飛車の基本形
ダイレクト向かい飛車の基本形
従来用いられていた「角交換四間飛車」の一変化である二手損向かい飛車は、(後手番であれば)飛車を一旦4筋に振ってから、改めて2筋に振り直し、先手の飛車先からの逆襲を目指す戦法であった[3]。4筋に途中下車しなければならないのは、居飛車側に▲6五角(後手なら△4五角)と言う有力な反撃手段があり、それを防ぐためのものだった。ダイレクト向かい飛車はこの▲6五角への対策が急所と言える[1]。
ただし、従来の「向かい飛車」も飛車を8筋から2筋(後手番の場合)に振っており、4筋への途中下車は無い。「ダイレクト」とは、あくまで4筋への途中下車を余儀なくされる角交換型四間飛車との対比により生まれた表現である[2]。この手得を生かして後手から積極的に動くこともできる[1][2]。大石直嗣や佐藤康光が得意にしている。
※この戦法は後手番で多用されるため、振り飛車側が後手の場合を基準にして解説する。先手番でも応用は可能であるが、後手番に比べ条件が多い。