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日本の東京都港区にある外食チェーンやスーパーマーケットなどを傘下に持つ持株会社 ウィキペディアから
株式会社ゼンショーホールディングス(英: ZENSHO HOLDINGS CO., LTD.)は、「すき家」をはじめとした多くの外食チェーンやスーパーマーケット等を傘下に持つ日本の持株会社。
種類 | 株式会社 |
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機関設計 | 監査等委員会設置会社[1] |
市場情報 | |
略称 | ゼンショーHD |
本社所在地 |
日本 〒108-0075 東京都港区港南二丁目18番1号 JR品川イーストビル[注釈 1] 北緯35度37分44.3秒 東経139度44分26.5秒 |
設立 |
1982年6月30日 (株式会社ゼンショー) |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 2010401045277 |
事業内容 | フードサービスチェーンの経営、販売システム・食材加工システムの開発などを営む子会社等の統括・管理 |
代表者 |
小川賢太郎 (代表取締役会長兼社長) |
資本金 |
474億9,700万円 (2024年3月期) |
発行済株式総数 |
160,733,225株 (2024年3月期) |
売上高 |
連結:9,657億7,800万円 単独:2,947億5,100万円 (2024年3月期) |
経常利益 |
連結:509億1,300万円 単独:77億8,200万円 (2024年3月期) |
純利益 |
連結:306億9,300万円 単独:75億3,000万円 (2024年3月期) |
純資産 |
連結:2,146億5,200万円 単独:1,509億2,100万円 (2024年3月期) |
総資産 |
連結:7,480億5,600万円 単独:5,354億8,200万円 (2024年3月期) |
従業員数 |
連結:16,806名 単独:790名 (2024年3月期) |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | PwC Japan有限責任監査法人 |
主要株主 |
株式会社日本クリエイト 33.33% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)7.98% 株式会社日本カストディ銀行(信託口)3.09% 小川賢太郎 2.02% 小川一政 2.01% 小川洋平 2.01% (2024年3月31日) |
主要子会社 | #グループ展開参照 |
外部リンク | ゼンショーホールディングス |
特記事項:経営指標は以下を参照。 ゼンショーHD「1【主要な経営指標等の推移】」、「(6)【大株主の状況】」『第42期 有価証券報告書』、2-3・41頁、2024年6月28日。 |
「世界から飢餓と貧困を撲滅する」を企業理念に掲げ、「世界中の人々に安全でおいしい食を手軽な価格で提供する」ことを使命としている。M&Aによる事業展開に積極的であり、特に2000年以降は、各ジャンルの外食チェーンを次々と買収し傘下に収めている。
連結子会社として、
などを有する[3]。なお、グローバル分野では「すき家」を中国やタイなど8つの国と地域で展開している。
社名の由来は、「全部勝つ・全勝」、「善なる商売・善商」、また日本企業であることから「禅の心で行う商売・禅商」の3つを意味し、1982年の設立時に創業者の小川賢太郎が命名した[4]。
1982年(昭和57年)6月にゼンショーとして神奈川県横浜市鶴見区で創業。創業時は横浜工場に本社を併設し、トタン張りの工場の一角に事務所を設けていた。
創業翌月の同年7月には、京浜工業地帯の労働者をターゲットに、持ち帰り弁当店「ランチボックス」1号店として生麦店を出店。店舗は京急本線生麦駅東口の国道15号(第一京浜道路)大黒町入口交差点にあった。
ところが、注文に応じ複数のおかずを作るオペレーションは手間もかかったこともあり、弁当店「ランチボックス」は経営不振となる。これを受けて、吉野家出身であった創業者の小川賢太郎は牛丼店の出店を思いつき、「すき家」1号店として生麦駅前店を出店。これがヒットし、現在のゼンショーグループの礎となった。
のちに「ランチボックス」と「すき家生麦駅前店」は廃業し、本社も移転したため鶴見区の横浜工場と本社、すき家1号店は現存しない。本社と工場の建物は解体されマンションが建設された。「ランチボックス」の建物のみ現存し、ゼンショーグループとは無関係の居酒屋[7]が居抜き出店している。
すき家の路面店(ロードサイド店舗)の外観デザインは、赤レンガ調の壁面で屋根には時計台が設置されている。これは、横浜市開港記念会館の時計台と横浜赤レンガ倉庫をモチーフとしたもので、創業の地であり文明開化以来の牛肉食文化に縁の深い横浜を象徴したデザインとなっている。また「すき家」の店名は、文明開化により広く食されるようになった「すき焼き」と「好き」を掛けて命名したものである。
社長の小川賢太郎は「経営上重視するものは、一に安全、二に品質、三にコスト」と述べる[52]。食の安全の確保のため、中央分析センター(2006年6月設立)をもち、残留農薬や食品添加物を独自にチェックしている。また、事故が起こった際には、発生から1時間以内に経営トップに事故情報が伝わるシステムを構築している[52]。
また、食材の調達から店舗で販売するまでの食材管理を、全て自前で行っている。「マス・マーチャンダイジング(MMD)」と呼ぶこのシステムによって、安全性の確保や、味へのこだわりといった質の向上、急な需要増への柔軟な対応が図れるという[52]。
BSE問題に対しては、2004年2月5日に牛丼の販売を停止した。主要チェーンでは「なか卯」に続き2番目となる。
その後、同年9月17日にオーストラリア産牛肉を使用し、牛丼販売の再開を決定した。販売停止以前には牛丼の低価格化競争が起きていたが、販売再開と同時に価格改定し、牛丼「並」で販売停止前より70円高い350円となった。
2003年12月26日の米国産牛肉の輸入禁止措置、2005年12月の米国産牛肉の輸入再開、再禁止を経て、2006年7月に日本政府は輸入を解禁した。一方で、ゼンショーは独自にアメリカ合衆国の現地調査を行い、安全性が確保されていないとして米国産牛肉の使用を見送り、オーストラリア産牛肉を使用し続けていた。小川は「本当に消費者のために安全性を検証しているのか」と述べて、日本政府の対応を批判していた[52]。BSE問題の収束後は、2010年12月にゼンショーも米国産牛肉の使用を再開している[53]。
牛丼チェーン店展開企業として、ゼンショーホールディングスは「すき家」と「なか卯」を有していたことにより、店舗数最大手となったが、「すき家」単独でも2008年9月末に吉野家を抜いて1位となる。ゼンショーグループ入り後に業態変更・一部業態からの撤退をしたチェーンもある。
以下、ゼンショーホールディングス 100%子会社
:牛丼チェーン「すき家」のグローバル展開(日本、中国、東南アジア、中南米)
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:寿司チェーン「はま寿司」のグローバル展開(日本、中国など)、テイクアウト寿司事業
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≪食材等の製造販売≫
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株式会社グローバルMDホールディングス(ゼンショーHD 100.0%)
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≪畜産事業≫
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≪介護事業≫
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≪その他≫
CooCa(クーカ)は、2015年11月より発行を開始した、ゼンショーグループで利用できるプリペイド式の電子マネー兼ポイントカードである[54]。すき家、はま寿司、COCO'S、ジョリーパスタ、華屋与兵衛、宝島、牛庵、いちばんで利用できる。発行は無料であり、1,000円以上のチャージが必要である。チャージは店頭、または公式サイトで可能であり、1回のチャージで49,000円、最大10万円までチャージができた。また、CooCaマネー決済時にポイントが貯まるポイントカードの機能も有している。
2019年3月より他の決済手段(現金・クレジットカード・他の電子マネー)でもCooCaポイントが貯まるサービスに切り替わり[55]、2019年11月26日に同日限りでのCooCaマネーのチャージ停止、2021年11月末でのCooCaマネー決済のサービス終了がアナウンスされた[56]。CooCaマネー廃止後もポイントサービスは継続していたが、2024年4月21日限りでポイント付与を終了し、1年間のポイント利用期間を経た2025年4月21日 23:59をもって完全にサービスを終了する事がアナウンスされた[57]。
ゼンショーグループではCooCa以外にも、共通ポイントの楽天ポイント・dポイントも利用可能[58]。CooCaポイント付与終了後の2024年4月22日からは同日にTポイントから名称変更したVポイントサービスも開始している。なお、Pontaは2022年7月4日をもってサービスを終了している。
ゼンショーグループでは、本社採用の新卒者のほかに、本部並びに各店舗ブランドごとに『アルバイト』として、時間給のシフト勤務労働者を一括して募集している。店舗に勤務する正社員は基本的に店舗管理マネジャー(いわゆる「店長」)のみで、実質的には『アルバイト』による店員(「クルー」と呼ばれる)が店舗運営を担っていると思われるが、「すき家」では店長と複数店舗担当者は正社員ではなく契約社員の場合もある[59]。
この『アルバイト』の勤務形態について、ゼンショーでは労働問題調停(後述)の場において「『アルバイト』と称する者らの業務実態を精査した結果、『アルバイト』の業務遂行状況は、およそ労働契約と評価することはできない」「会社とアルバイトとの関係は、労働契約関係ではなく、請負契約に類似する業務委託契約である」と主張しており[60]、すなわち『アルバイト』は、ゼンショーとの雇用関係にない個人事業主としての個人請負契約であることを表明している。
これは、勤務シフト(労働形態)を『アルバイト』自身が選択できる(すなわち労働形態の選択権が会社側にない)ことを根拠に主張しているものだが、このことから『アルバイト』の労働環境を巡って、ゼンショーと『アルバイト』との間で複数の軋轢を生んだ。
すき家における強盗事件多発問題は、すき家が吉野家を抜いて牛丼チェーン店首位に立った2008年頃から表面化し始めた[73]。
警察庁の資料によると、2010年のすき家における強盗被害の件数は57件で、飲食店を狙った強盗被害の総数121件の半数近くをすき家が占めた。また同じ店舗で強盗が3回入ったり、1日に各地で強盗が4件入る例も発生した[74][75]。同時期に、インターネット上の掲示板にて「強盗マニュアル」が流布されており、話題となった[75]。
こうした状況を踏まえ、2010年に愛知県警察がゼンショーへ10回以上も業務改善要請(防犯ベルと店外の赤色灯の設置などを)を出した他[76]、警察庁も2010年11月に防犯対策の強化を口頭で要請するなど、異例の対応が取られた[77]。
ゼンショーはこうした現状について「すでに十分な対策をとっている」と述べていたが[78]、警察庁が2011年6月に調査したところ、ほとんどの店で改善が見られなかった[77]。
このため、2011年10月13日に警察庁生活安全局生活安全企画課は、ゼンショーに防犯体制強化を文書で要請した[79]。これを受けてゼンショーでは防犯対策強化の一環として、2012年3月末までにすき家での深夜の一人勤務体制を解消すると発表した[80]。
これに関連して、警察庁は2011年10月25日深夜から10月26日未明にかけて、全国一斉の抜き打ち防犯調査を実施し、防犯体制の調査や指導を行った[81]。2011年12月15日には、店員が首から吊り下げる小型ペンダント状のワイヤレス非常通報機器をすき家全店舗に導入[82]。2012年1月には2度目の防犯体制調査が行われ、各都道府県警がすき家店舗を訪問して進捗状況を確認した[83]。
その後も、深夜に一人勤務している際に強盗に襲撃されるケースがしばしば発生した[84][85]。ピークであった2011年に比べると、2012年以降は牛丼店への強盗の発生件数自体は半減したものの、依然として全体の発生件数のうち、85%をすき家が占める状態にあった[86]。
すき家が強盗や窃盗の標的になる理由として、深夜に店員が1人になる時間帯があること、キャッシュレジスターが出入口付近の1か所にのみ設置され、そこに現金が集約されていること、ほかの牛丼チェーンと比べカウンター内部に入りやすい構造となっていること、夜間に人通りが少なく逃走しやすい郊外型店舗が多いこと、警備会社と契約していない店舗があることが指摘されている[79][87][88][89]。
ゼンショーは2014年9月30日、24時間営業の店舗は複数の従業員を配置する、深夜営業休止の店舗は機械警備を導入して、防犯を強化する強盗対策を発表した[33]。
2014年3月下旬からすき家の一部店舗が一時的に閉鎖され、その原因が「店舗の人員不足」であると一部のネットニュースなどが報じた[90][91]。その要因として深夜帯に店員1人で営業する(ワンオペ)店舗があり、これに加えて、同年2月14日より発売を開始した「牛すき鍋定食」が店舗での仕込みに非常に時間がかかり、厨房が回らなくなっているのが理由だと報じられた[92]。
これらの報道について、ゼンショーの広報室はITmediaの取材に対し、一時的な閉店は厨房の強化を中心とした改装作業[93]によるものが基本であり、人員不足による一時的な閉店は「常時抱えている問題」と認識した上で、牛すき鍋定食の提供開始に関連したものではとの指摘には「ファストフード店として手短に仕込み・提供できるような商品を開発し、実験店舗で確認した後に展開している」と回答しており、一連の報道を一部否定している[94][95]。
ゼンショーHDは2014年4月17日で「『すき家』の職場環境改善に向けた施策について」と題したニュースリリースを発表[96]、すき家を全国7地域に地域分社化することを軸とした労働環境の改善策を発表した[97][98]。このリリースの中で「殊に本年2月から3月にかけて、流通産業全体に及ぶ折からの人手不足と、仕込みにこれまで以上の手間を要する新商品の導入にともない、『すき家』従業員の負担増が深刻化した」と、牛すき鍋定食の提供開始が従業員の負担増となり、店舗の一時閉店の遠因になったことを認めている。24時間営業を止め深夜営業を休止して営業再開した店舗もある。
ゼンショーHDは2014年9月30日で「『すき家』の労働環境改善に向けた改革の進捗について」と題したニュースリリースを発表[33]。2014年9月30日現在で24時間営業を実施していた1843店舗のうち、589店舗は複数の従業員を配置して深夜における勤務体制を確立した上で同年10月1日以降も24時間営業を継続する。1人勤務が完全に解消できない店舗のうち、87店舗は曜日により深夜営業を休止、残る1167店は全曜日で深夜営業休止とした[99]。その後は労働環境を改善することで人手不足を解消し、2016年12月時点で深夜営業休止中の店舗は127店まで縮小し、休止していた約9割の店舗で深夜営業を再開した[100]。
しかし、一部の地域において、引き続きワンオペの時間帯が残存し、2022年1月に愛知県名古屋市内の店舗でワンオペ勤務中の従業員が死亡する事故が発生した。これを受けて、すき家は同年6月末までに全時間帯において、複数勤務とし、ワンオペ体制を解消することを同月1日に発表した[101][102]。
前述の一時閉店問題を受けて、ゼンショーは2014年4月28日、弁護士の久保利英明を委員長とする「『すき家』の労働環境改善に関る第三者委員会」を設置[28]。第三者委員会は全正社員581名とクルー468名を対象にアンケートを実施し[103]、2014年7月31日に調査報告書をゼンショーに提出した[29]。
この報告書では、店舗の一時閉店は正社員の管理体制変更と「牛すき鍋定食」の投入のタイミングが重なった結果、現場のオペレーションが十分機能しなくなったことでクルーの不満が爆発し、社員及びクルーが大量退職する結果になったため、としている[104]。さらに、それ以前から月500時間を超える勤務実態も見られるなど過重労働が常態化しており[105]、人事部門がこうした問題を把握しつつも取締役会に諮られた形跡がなく、加えて監査役が内部監査室による過重労働に関する指摘を把握しながら、監査役会で諮られた形跡もなく、総じてゼンショーの社内で過重労働に対する感覚が麻痺していたとも指摘している[106]。
これらについて、報告書では以下のような要因があると位置づけている。
これらを踏まえ、一定時間以上の長時間労働の絶対的禁止のルール化と、その実現のための体制整備や「ワンオペ」の解消、経営幹部の企業意識改革のために研修の実施などを提言している[110]。
2014年6月には、サービス水準の向上と店舗で働く従業員の声を反映しやすい環境を整えるため、全国2,000店舗を7つのエリアに分割し、それぞれに地域運営会社を設立した。また長時間労働撲滅に向けて会社と労働組合合同で「時間管理委員会」を設置。2015年2月から、会社としてクルーの生の声を聞く目的で「クルーミーティング」を全国規模で実施し、そこで上がった要望を元に茨城県つくば市などに事業所内保育所を設置した。そして2015年、2016年と2年連続で社員のベースアップ、クルーの時給アップを一律に実施した[111]。
2017年、ゼンショーは深夜営業における過密労働対策として、11時間のインターバル規制を実験的に始めることで、労働組合と合意した[112]。
ゼンショー子会社のフレッシュコーポレーションが運営する惣菜店の「でりしゃす」が2017年8月7日と8月8日に販売したポテトサラダ[113][114]を食べた客が病原性大腸菌による集団食中毒を起こし、そのうちの3歳女児1人が死亡した食中毒事件[115]に関し、コメントを発表した[116]。
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