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ジチオラン (dithiolane) とは、シクロペンタンのメチレン基 (CH2) が2個スルフィド基 (-S-) に置き換わった有機硫黄化合物。あるいはその骨格を持つ誘導体の総称。硫黄が置き換わった位置により、1,2-ジチオランと1,3-ジチオランの異性体がある。
上: 1,2-ジチオラン 下: 1,3-ジチオラン | |
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Dithiolane | |
別称 1,2-Dithiolane, 1,3-dithiolane | |
識別情報 | |
PubChem | (1,2): 79045(1,3): 20970 |
ChemSpider | (1,2): 71377 |
ChEBI |
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特性 | |
化学式 | C3H6S2 |
モル質量 | 106.21 g mol−1 |
関連する物質 | |
関連物質 | Ethane-1,2-dithiol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
1,2-ジチオラン構造は環状のジスルフィドで、α-リポ酸の部分構造として現れる。また、アスパラギン酸[1]のような一部の天然物中に含まれる[2]。
α-リポ酸は、金、モリブデン、タングステンなど多くの金属と強い親和性を持つ[3]。その他の1,2-ジチオランは、金ナノ粒子や遷移金属ジカルコゲン化物(MoS2やWS2)などのナノマテリアルに関連している[4][5][6]。
海洋の環形動物Lumbriconereis heteropoda から得られたイソメ毒[7]は、ニコチン性アセチルコリン受容体を遮断する事から、チオシクラムやカルタップ等の殺虫剤の原型となった[8]。
1,3-ジチオラン構造は環状のジチオアセタールであり、カルボニル基の保護基として重要である。カルボニル化合物をルイス酸触媒のもと 1,2-エタンジチオールと縮合させると 1,3-ジチオランとすることができ、酸や塩基、還元剤や求核剤に対して耐性を持たせられる。脱保護は硝酸銀などの酸化剤を用いる[9]。
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