サポート詐欺
テクニカルサポートを装い、金銭を騙し取る詐欺 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
サポート詐欺(サポートさぎ、英: tecnical support scam、tech support scam)とは「偽のエラーメッセージ」をポップアップ広告で表示させる、あるいは、詐欺師の運営するウェブサイトに掲載された「偽のヘルプデスク」の広告を通じて、正規のテクニカルサポートを装い行われる詐欺の一種。技術サポート詐欺、テクニカルサポート(テクサポ)詐欺ともいわれる[1][2]。
サポート詐欺は、ソーシャル・エンジニアリングなどの様々な信用詐欺の手法を用い、実際には問題がない状態であったとしても、被害者のコンピュータや携帯機器にマルウェア感染といった問題が発生していると信用させ、その後、詐欺師が主張する「嘘の問題」を解決するため、費用を支払うよう説得が行われる。支払いには、追跡が困難、かつ、消費者保護が未整備で被害者からの返金請求が難しい手段が用いられ、一般的にはギフトカードが利用される。
サポート詐欺は、古くは2008年に発生したことが確認されている。2017年に行われた調査では、詐欺で使用されたIPの位置情報取得(ジオロケーション)が行われ、追跡可能なIPの85%がインド、7%がアメリカ合衆国、3%がコスタリカのものであると判明した。また、調査では、ミレニアム世代とジェネレーションZの世代がサポート詐欺への遭遇率が最も高く、シニア世代が被害を受ける割合が最も高いことが示された。2021年10月、ノートンは、消費者に対するフィッシング詐欺における最大の脅威として、サポート詐欺の名前を挙げた。マイクロソフトの調査では、調査に参加した消費者の60%が、過去12か月以内にサポート詐欺に遭遇していたことを明らかにしている。こうした詐欺行為に対抗して、コールセンターを運営する企業への民事訴訟や、詐欺師に騙されたふりをして情報収集、または、嫌がらせを行うScam baiting(英語版)と呼ばれるネット自警行為が行われている。