グレートベースン砂漠
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グレートベースン砂漠(グレートベースンさばく、英語: Great Basin Desert)はシエラネバダ山脈、ワサッチ山脈に挟まれたグレートベースンにある砂漠。この地域は世界自然保護基金(WWF)が指定するグレートベースン・シュラブ・ステップ、アメリカ合衆国環境保護庁、アメリカ地質調査所が指定するベイスン・アンド・レンジ中央エコリージョンに一致する。夏は暑く乾燥しているが、冬には雪が降る[1]。この砂漠の領域は、ネバダ州の大部分とユタ州西部、カリフォルニア州東部、アイダホ州にまたがる。この砂漠は北米大陸において生物学的見地から範囲が定められている4つの砂漠の一つ(他はモハーヴェ砂漠、ソノラ砂漠、チワワ砂漠)である[2]。
ベイスン・アンド・レンジにおいて典型的な南北に伸びる乾燥した谷と山脈が交互に入り組む地形が見られる。山脈の数は33に達し、その標高は3,000メートルを超える。一方で峡谷自体の標高も1,200メートルと高い。グレートベースン砂漠の生態系は標高によって異なる。低地から標高が上がるについれ、塩湖、ヤマヨモギの灌木林、ピニョン松(英語版)やビャクシン属で構成される森林と変化する。この地域の特徴として、山脈と峡谷によって生態系がいくつも分断されており、地域ごとの固有種が非常に多いことが挙げられる。グレイソンの研究によると、脊椎動物だけ600種以上の生物種がグレートベースン砂漠に生息していると考えられる[2]。なお、ユタ州西部のパイン・バレー(英語版)は1976年にユネスコの生物圏保護区に指定されたが[3]、2017年に指定が解除された[4]。
また、この砂漠の生態系は標高だけでなく地域ごとに違いがある。この砂漠は太平洋からの湿った空気をシエラネバダ山脈に、メキシコ湾からの空気をロッキー山脈に遮られている[5]。そのため、地域ごとに降水量が異なり、その少なさは山脈からの影響によって変化する。この地形は最終氷期以降にラホンタン湖の水位が低下した原因となり、分断された湖の塩分濃度の高さやアルカリ性になっていることにつながっている。