クラヴィコード
弦をタンジェントと呼ばれる金具で突き上げることで発音する鍵盤楽器 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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クラヴィコードは、弦をタンジェントと呼ばれる金具で突き上げることで発音する鍵盤楽器である。長方形の箱形の楽器で、テーブルや専用の台などの上に置いて用いる。音量はチェンバロなどに比べると小さいが、打鍵の強さによって音に強弱をつけることができる。
クラヴィコード | ||||||||||
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各言語での名称 | ||||||||||
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クラヴィコード『レパント』 音楽博物館、パリ。 | ||||||||||
分類 | ||||||||||
鍵盤楽器 | ||||||||||
関連楽器 | ||||||||||
クラヴィコードは14世紀頃に発明され、オルガンやチェンバロ、ピアノなどと並行して、16世紀から18世紀にかけて広く使用された。特にドイツ語圏の国々、スカンジナビア半島およびイベリア半島において盛んに用いられた。中世のモノコードに鍵盤機構を付加したものから発達したとする説があるが、確実な証拠は残っていない。1730年代以前に製作された楽器の多くは小型で、幅4フィート、音域4オクターブ程度であるのに対して、後期の楽器には幅7フィート、音域6オクターブに達するものもある。
クラヴィコードは特に練習用の楽器として重宝された。オルガン奏者の練習用には、1つあるいは2つの手鍵盤と足鍵盤を持つクラヴィコードが製作された。
1400年ごろから1800年ごろにかけて、チェンバロ、ピアノおよびオルガンのために書かれた音楽の多くはクラヴィコードによって演奏することが可能であり、また実際に演奏されていた。家庭用の楽器として多くの音楽家に愛用され、例えばヨハン・ゼバスティアン・バッハの子であるC.P.E.バッハはクラヴィコードの熱心な支持者だった。また、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンのソナタのいくつかも、当時のドイツ・オーストリアで製作されていた比較的大型のクラヴィコードで演奏されたと考えられる。
19世紀には次第に用いられなくなったが、同世紀末にアーノルド・ドルメッチによって復興された。今日では世界各国にクラヴィコード協会が設立されており、復元製作も盛んである。音量の小ささから現代の大きなホールでの演奏は不可能に近いが、演奏会も各地で行われ、過去70年間において400を超える録音が残されている。