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キニーネ
アルカロイドのひとつ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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キニーネ(蘭: kinine)またはキニン(英: quinine、クイニン)は、キナの樹皮に含まれる分子式C20H24N2O2のアルカロイドである。 IUPAC名は(6-Methoxyquinolin-4-yl)[(2S,4S,5R)-5-vinyl-1-aza-bicyclo[2.2.2]oct-2-yl]-(R)-methanol。1820年にキナの樹皮から単離、命名され、1908年に平面構造が決定し、1944年に絶対立体配置も決定された。また1944年にロバート・バーンズ・ウッドワードらが全合成を達成した。ただしウッドワードらの全合成の成否については後述の通り議論がある。
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(−)-キニーネ | |
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(6-Methoxyquinolin-4-yl)[(2S,4S,5R)-5-vinyl-1-azabicyclo[2.2.2]oct-2-yl]-(R)-methanol | |
別称 キニン 9-epi-キニジン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 130-95-0 |
PubChem | 8549 |
ChemSpider | 84989 |
J-GLOBAL ID | 200907026656606974 |
DrugBank | APRD00563 |
KEGG | D08460 |
ATC分類 | |
特性 | |
化学式 | C20H24N2O2 |
モル質量 | 324.42 g mol−1 |
外観 | 白色結晶 |
融点 |
177 °C (無水物) |
水への溶解度 | 冷水に微溶 |
log POW | 3.44 |
酸解離定数 pKa | 4.2, 8.8 |
比旋光度 [α]D | −158.7°(c = 2.1432, EtOH, 14 °C) |
薬理学 | |
生物学的利用能 | 76~88% |
投与経路 | 経口、静注 |
代謝 | 肝臓(主にCYP3A4およびCYP2C19) |
消失半減期 | ~18時間 |
血漿タンパク結合 | ~70% |
排泄 | 腎臓 (20%) |
胎児危険度分類 | C (USA), D (Au) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
マラリア原虫に特異的に毒性を示すマラリアの特効薬である。キューガーデンが移植を手がけて以来、帝国主義時代から第二次世界大戦を経てベトナム戦争まで、ずっとかけがえのない薬だった。米国は野戦病院等でキニーネを使い、1962-1964年頃に手持ちが底をついた。急に大量発注され、そこへ国際カルテルが便乗し、キニーネは暴騰した。参加企業は欧州諸共同体のキニーネ/キニジンメーカーを網羅していた[注 1]。
その後、キニーネの構造を元にクロロキンやメフロキンなどの人工的な抗マラリア薬が開発され、ある程度の副作用のあるキニーネは代替されてあまり用いられなくなっていった。 しかし、東南アジアおよび南アジア、アフリカ、南アメリカ中北部といった赤道直下の地域において熱帯熱マラリアにクロロキンやメフロキンに対して耐性を持つものが多くみられるようになったため、現在ではその治療に利用される。
また強い苦味を持つ物質として知られている。