オーストラリアの地方政府
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オーストラリアの地方政府(オーストラリアのちほうせいふ)は、オーストラリアの連邦政府(英語版)、州や準州の下に、州/準州政府によって設置される地方政府である[1]。地方政府については、オーストラリア憲法には言及されておらず、1970年代と1980年代に地方政府についての規定を盛り込むことを目指してそれぞれ行われた2回の憲法改定の国民投票は、いずれも否決に終わっている[2]。全ての州政府は、それぞれ各州の州憲法において地方政府についての規定をしている[3]。カナダやアメリカ合衆国とは異なり、オーストラリアでは、各州の下にある地方政府は1層しかなく、市 (cities) や郡 (counties) などといった区別もない。
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地方行政を担う地方公共団体は、一般的にはカウンシル (council) と称されるが、この語は狭義では選挙で選ばれる自治体の「議会」を指すため[4]、広義で地方公共団体を指す場合にも日本語では「市議会」などと訳されることがある[5]。カウンシルの管轄下にある領域は地方行政区 (Local Government Areas, LGA) と総称されるが、「市 (cities)」や「シャイア (shire)」といった名称も、地理的な含意をもつ。2016年8月の時点で、オーストラリアには547の地方カウンシルが存在していた[6]。
オーストラリアでは、地方政府が1層しかないが、比較的人口密度の低い地域の多くが、いずれの地方行政区にも含まれないままになっている。こうした地域における地方行政の権限は、ビクトリア州の山岳リゾート地のように一般的な立法によらずに設立される特定目的団体によって執行されたり、州政府によって直接執行される。
ひとつの地方カウンシルが管轄する領域の大きさは、小さなものではパース大都市圏シャイア・オブ・ペパーミント・グローブの1.5 km2 (0.58 sq mi)から、大きなものでは同じく西オーストラリア州のピルバラ地方のシャイア・オブ・イースト・ピルバラの、ビクトリア州や、ドイツや日本よりも広い380,000 km2 (150,000 sq mi)まで、様々である[7]。人口においても、100万人を超えるクイーンズランド州ブリスベン(都市圏全体では200万人超)から、75人とされる南オーストラリア州マラリンガ・ティアルトゥジャ(英語版)まで、大きなばらつきがある[7]。