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オオツチグモ科(オオツチグモか、大土蜘蛛科)とは、節足動物門鋏角亜門クモ綱クモ目の群のひとつである。一般にはタランチュラの名称でよく知られている。
オオツチグモ類は北アメリカ南西部から南アメリカ、熱帯アジア、地中海地方、熱帯アフリカ、ニューギニア島、オーストラリアなど、世界の温暖な地域に分布し、大型で全身に毛が生えていて、いかにも恐ろしそうな見た目をしている。南北アメリカのオオツチグモは腹部に刺激毛を持ち、自己防衛のためにこれを脚で蹴って飛散させることがあり、目や皮膚につくと痒みのある炎症を起こす。かつて、鳥の巣を襲い鳥を食べるという記事が美しいイラストとともに紹介され、トリトリグモ(鳥取り蜘蛛)あるいはトリクイグモ(鳥喰い蜘蛛)の和名が使われたが、実際には鳥を常食するわけではない。しかし体格が大きいため、小型の脊椎動物は餌の範囲に入り、鳥の雛やカエル、子ネズミなどは好んで捕食する[1]。雄は成熟すると比較的短命であり、雌に食われてしまうこともあるが、雌は飼育下で数十年生きる種類もある。
サスペンス映画などで、殺人に巨大な毒蜘蛛が使われたりしたことで、知名度が世界的に広がった。しかし、それらは巨大で猛毒を持った危険なクモというイメージが強く、実際の生態とは異なる描写がされていることが多い。人をも殺す猛毒を持っているかのように描かれることが多いが、実際にはタランチュラの毒による死亡例は知られておらず、そのため血清等も存在しない。
バナナに卵や仔蜘蛛がついて、誤って輸入されてしまうことが稀にあり、日本でも昭和期に何度か大騒ぎになった。
世界最大のクモがこの科に含まれており、強力な刺激毛を持ち13cmほどになる南米のルブロンオオツチグモ(Theraphosa blondi)が世界最大といわれる。そのほかゴライアスピンクフットバードイーター(Theraphosa apophysis)やバーガンディゴライアスバードイーターなども候補としてあがっている。
近年タランチュラをペットとして飼養する愛好家が増えている。主に爬虫類専門のペットショップなどで扱われることが多い。ペットとされる代表種はチリアンコモンタランチュラ(Grammostola rosea )やメキシカンレッドニータランチュラ(Brachypelma hamorii)などで、いずれもおとなしく長寿(雌であれば20年以上ともいわれる)で、美麗なため非常に人気がある。一部の大型種を除けば長辺30cm程度のプラケースで終生飼育可能であるため飼育スペースをあまり必要とせず、昆虫(コオロギ・ミールワームなど)・マウスといったペットショップで常時安価で売られている餌を食べ、水分と温度さえ十分であれば長期間の絶食(極端な例では水のみで30ヶ月も生存した例がある)にも耐えるなど、飼育にあまり手はかからない。餌は必ずしも生き餌でなくともよく、冷凍して販売されているマウスやラットの幼獣を解凍して与えることもできる。
人気の高いブラキペルマ属など多くのタランチュラは、ペットトレードが原因と思われる乱獲により現地個体数が激減し、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約による商業取引の制限がされている。一時はそれが原因で価格が高騰したが、近年は愛好家による繁殖個体がペット市場に流通することが多くなり、落ち着きを取り戻しつつある。
便宜上分類として生息地及び生活様式による四つのタイプに分類されている。
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