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ウミガメ除去装置
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ウミガメ除去装置(海亀除去装置、英:Turtle Excluder Device)あるいは英語の略称でTED(複数形はTEDs)とは、漁網にかかってしまったウミガメを逃がすための特別な装置である。以下、記事中では「TED」と表記する。
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ウミガメは特にエビ漁(英語版)で用いられるトロール網により混獲されることが多い。エビを捕らえるためには目の細かい網が必要である。その結果他の海洋生物も大量に混獲されてしまう。カメがトロール網で捕らえられた、あるいはトロール網に絡まった時、ウミガメは逃げることができず海面に戻れなくなる。ウミガメは肺呼吸をする動物であるため、最終的には溺死してしまうことになる。
いる[1]。
1987年にはアメリカが、エビ漁を行うすべてのトロール船に対しトロール網にTEDを装着するよう要求した。それに続いて2年後にはアメリカでエビ・ウミガメ法(Shrimp-Turtle law)が制定された。この法律はアメリカにエビを輸出する国に対し、その国の輸出するエビについて、それがTEDを備え付けた漁船によって漁獲されたことを証明するよう求めるものである。つまり、TEDの使用を保証できない国はアメリカにエビを輸出することを禁じられたのである[2]。この法律はもとはアメリカ近隣諸国のみを対象としていたが、1996年に全ての国家に対象が広げられた。この時、この法律は不当な貿易の制限であるとして反発したエビ漁獲国とアメリカとの間に貿易紛争が起きている[3]。
1996年にインド政府が提案した法律では、地元漁民に対し、TEDの「インド版」改造型と言えるTSD(Turtle Saving Device)を使用することを求めている。これはオリッサ州の浜辺で営巣していたヒメウミガメの個体数が減少していることへの対応策であった。この改造型のTSDは基本的にはTEDと類似したものであるが、格子としてはめる棒の本数が少ないという相違点がある。その結果棒と棒の間隔が広がり、より大きいエビや魚がTSDを通過し網へ入れるようになっている[4]。
発祥国であるアメリカにおいてさえTEDは一般的なものとは限らず、その導入の可否は議論の的となっていた。例えば、2010年の6月までルイジアナ州の海洋警察官は漁師にTEDの利用やトロール網の曳航時間の制限を強要することを禁止されていた[5]。