イントレランス
ウィキペディア フリーな encyclopedia
『イントレランス』(英語: Intolerance)は、1916年に公開されたアメリカ映画である。モノクロ・サイレント。監督・脚本はD・W・グリフィス、主演はリリアン・ギッシュ。
概要 イントレランス, 監督 ...
イントレランス | |
---|---|
Intolerance | |
公開時のポスター | |
監督 | D・W・グリフィス |
脚本 | D・W・グリフィス |
出演者 | リリアン・ギッシュ |
撮影 | ビリー・ビッツァー(英語版) |
編集 |
D・W・グリフィス ジェームズ・スミス ローズ・スミス |
製作会社 | ウォーク・プロデューシング・コーポレーション |
配給 |
トライアングル・フィルム・コーポレーション 小林商会 |
公開 |
1916年8月5日 1919年3月 |
上映時間 | 180分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | 38万5,000ドル |
テンプレートを表示 |
閉じる
いつの時代にも存在する不寛容(イントレランス)を描き、人間の心の狭さを糾弾した。この物語では4つの不寛容のエピソードが挿入されている。その4つのエピソードは、現代の(製作当時の)アメリカを舞台に青年が無実の罪で死刑宣告を受ける「アメリカ篇」(『母と法律』のストーリーにあたる部分)、ファリサイ派の迫害によるキリストの受難を描く「ユダヤ篇」、異なる神の信仰を嫌うベル教神官の裏切りでペルシャに滅ぼされるバビロンを描く「バビロン篇」、フランスのユグノー迫害政策によるサン・バルテルミの虐殺を描く「フランス篇」で、この4つの物語を並列的に描くという斬新な手法を用いて描いた。
本作は巨大なセットを作り、大量のエキストラを動員させるなど、前作『國民の創生』よりも高額の38万5000ドルの製作費を投じ、文字通りの超大作となったものの、興行的に大惨敗した。しかし、4つの物語を並行して描くという構成や、クロスカッティング、大胆なクローズアップ、カットバック、超ロングショットの遠景、移動撮影などの画期的な撮影技術を駆使して映画独自の表現を行い、アメリカ映画史上の古典的名作として映画史に刻まれている。そんな本作は映画文法を作った作品として高い芸術的評価を受けているだけでなく、ソ連のモンタージュ理論を唱えた映画作家を始め、のちの映画界に多大な影響を与えた。