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ウィキペディアから
イベリコ豚(イベリコぶた、スペイン語: Cerdo Ibérico イベリア豚の意)は、食用に飼育される豚のひとつである。
品種としては、イベリア種100%純血、もしくはイベリア種とデュロック種を交配させた豚(イベリア種50%以上)のうち、スペイン政府が認証したものをイベリコ豚と言う。
地中海地方に起源を持ち、主にイベリア半島の中央部から南部、スペイン西部からポルトガル東部にかけてみられる。黒い脚と爪をもつ傾向があることから、スペイン語では「黒い脚(pata negra)」とも表現される。
「どんぐりを食べて育った豚」と紹介されることもあるが、イベリコ豚とは血統のことである。ドングリを食べて育った最高級のイベリコ豚(全体の10パーセントほど)は「ベジョータ[1](bellota=スペイン語で「どんぐり」)」と呼ばれ、どんぐり以外の普通の飼料を食べて育ったものは「セボ」と呼ばれる。
肉質が良く脂身はさらりとして甘味があるのが特色。脂身には餌である樫の実由来のオレイン酸を多く含む。この特色は餌や飼育法に拠るところが大きく品種的な特徴ではない。
脂肪分はいわゆる霜降り状に付いているがこの特色は飼育法と品種的な特徴の両方から成る。
日本においては、主にイベリコ豚のハム(ハモン・イベリコ)が輸入されていたが、1990年代後半にヨーロッパでの豚熱流行と2001年にスペインで豚熱が発見されたことから、2001年には日本へのハモン・イベリコを含む豚肉全般の輸入が禁止された。翌2002年には輸入は解禁されたが、ハモン・イベリコは熟成に24か月以上を要するため、実際にハモン・イベリコの輸入が再開されたのは2004年になってからであった。また、この間にハモン・イベリコの熟成を待てない輸入業者が生肉を調理用として日本に持ち込みソテーしてみたところ、味の良さが評判となり、日本でのイベリコ豚の調理が広まった[2]。
イベリコ種でも、通常と同じく穀物主体で育てられるものもおり、セボと呼ばれる。ドングリ(セイヨウヒイラギガシ)、コルクガシの実、楢の実)を食べて育ったイベリコ豚がイベリコ・ベジョータである。 イベリコ・ベジョータは特別な飼育法で育てられる。最大の特徴は放牧を行うことである。
放牧する事により筋肉に変化がおき、赤身が強く乳酸率が高くなり、熟成する事で脂肪との親和性が高くなり、味わいのバランスが良くなると云われる。
与えられた飼料、血統、モンタネーラ環境や増加体重によってイベリコ豚はランク付けされる。2014年1月10日のレアル・デクレト第4号[4]でこれまでのものから変更されたが、生ハムについては熟成期間が到達していないため、2016年4月現在、新ランキング表記ではほとんど流通していない。
モンタネーラ後の肉質や増加体重によってイベリコ豚はランク付けされる。
旧ランキングにあったデ・レセボは廃止され、以降の製品への使用が禁止されている。特に生ハムの場合は、消費者の混乱を防ぐためにイベリコの名を最後に付与し(例えば「ハモン・デ・ベジョータ・イベリコ」)、血統と肥育方法により4色のタグで分類を表示する。
市場には混血が多く、生ハムにおいては75%以上のイベリコ血統で、生肉については50%以上のイベリコ血統でイベリコを名乗る事が許されている。
純血では、サンチェス・ロメロ・カルバハル社(Sánchez Romero Carvajal)の「5J」(シンコ・ホタスと読む)が有名で、5Jは歴史的に純血思想が強いスペイン王室で唯一王室御用達で知られる。
上記は全てブロックになった状態での産地特定が困難なことからインボイスによる管理によって、その産地、品質を証明している。
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