イセゴイ

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イセゴイ

イセゴイ (伊勢鯉、学名:Megalops cyprinoides 英名:Indo-Pacific tarponインドパシフィック・ターポン) は、カライワシ目イセゴイ科に属する[1]パシフィックターポンハイレンとも呼ぶ。

概要 イセゴイ, 保全状況評価 ...
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形態

見た目は同属のターポンに似るが、ターポンは大西洋に分布し、本種よりはるかに大きい。背面はオリーブグリーン、側面は銀色[2]。口は大きく、上を向いている。下顎には細長い骨板がある。背鰭の最後の条は長く、尾近くまで達する。を空気で満たし、そこから酸素を吸収することができる[2]。淡水に生息する個体は全長50 cmをわずかに超える程度だが、海水に生息する個体は1 mを超え、最大で全長1.5 m、体重18 kg の記録がある[2]。寿命は44年以上で、2年以内に成熟する。レプトケファルスから10日間で変態する[3]

分布・生息地

東アフリカアラビア半島から、南アジア東南アジア南日本フランス領ポリネシアオーストラリア南部に分布する[1]。海岸、河口および淡水の川や湖に生息する。回遊魚であり、川と海を移動する。漁獲量などが不明な為、生息数に関するデータは不足しているが、分布域全体で一般的である。300点を超える標本が博物館に所蔵されている[1]

生態

日和見的な捕食者で、小魚や甲殻類、稀に植物も捕食する。海水では主にエビニシン、小魚を食べ、淡水では主にテナガエビとニシンを食べる[4]

外海と川の間を移動し、主に沖合で年2回産卵する[5]。繁殖は淡水でも海水でも行える[6]。稚魚はレプトセファルス幼生になり、汽水域や淡水域に移動する。

水深50 m以浅の場所の表層で見られる。サンゴ礁マングローブ沼地貯水池氾濫原運河に生息する。パプアニューギニアでは、オオサンショウモの下で発見された[7]

利用

肉質が非常に柔らかく、小骨が多いので下ろすのに手間がかかる。その反面、独特の金属臭があるとされ、食用として利用される事は少ない[8]が、一方で味には問題なく、美味であるという評価もあり[9]、この差がどのような理由によるものかは不明である。

名称

ベンガルでは、koral fish (নানচিল কোরাল)と呼ばれる。インドネシアでは ikan bulan(月の魚)と呼ばれていた。ベトナムでは「cá cháo lớn」 (大きなお粥の魚)と呼ばれている。インドオリッサ州では、Pani akhia と呼ばれる。

シノニム

本種には下記のシノニムが知られる[10]

  • Clupea cyprinoides Broussonet, 1782
  • Elops cyprinoides (Broussonet, 1782)
  • Clupea thrissoides Bloch & Schneider, 1801
  • Cyprinodon cundingus Hamilton, 1822
  • Elops cundingus (Hamilton, 1822)
  • Megalops cundingus (Hamilton, 1822)
  • Megalops curtifilis Richardson, 1846
  • Megalops filamentosus Lacepède, 1803
  • Megalops indicus Valenciennes, 1847
  • Megalops macrophthalmus Bleeker, 1851
  • Megalops macropterus Bleeker, 1866
  • Megalops oligolepis Bleeker, 1866
  • Megalops setipinnis Richardson, 1846
  • Megalops staigeri Castelnau, 1878

出典

関連項目

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