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イオントラップ型量子コンピュータ
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イオントラップ型量子コンピュータ(イオントラップがたりょうしコンピュータ)は、量子情報の格納にイオントラップを利用した計算方式であり、大規模量子コンピュータの実現方法の一つ。電磁場を用いて荷電粒子(イオン)を自由空間内に閉じ込めて保持(トラップ)し、量子ビットを粒子の安定な電子的状態として格納する。一つのイオントラップで各量子ビットに対応した複数の荷電粒子をトラップでき、量子情報は各荷電粒子の集団量子化運動(クーロン力による相互作用)を介して相互に転送される。主に量子ゲートを実現する上での理由から、量子ビットの表現にイオン状態(内部スピン状態 0/1)とフォノン状態(外部運動状態 0/1)という二種類の状態表現が用いられ、必要に応じて使い分けられるという特徴がある。これらの量子状態と量子ビットの関連付け(カップリング)や、イオン状態とフォノン状態の関連付けにはレーザーが用いられる[1]。前者は初期化・回転・測定といった単一量子ビットの操作に、後者は制御NOTゲートといった多入力量子ゲートにおける量子もつれの操作に必要である。
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イオントラップ型量子コンピュータは、現在知られているものの中では、量子コンピュータの基本演算を最も高い精度で行うことができる計算方式である。また、これを任意の数の量子ビットへとスケール(拡張)させるために有力視されている仕組みとして、複数のイオントラップ間で量子情報を転送する方法や、量子テレポーテーションを用いた光子接続ネットワークによる大規模な量子もつれ状態の構築、およびこれら二つのアイデアの組み合わせなどが開発されている。 これらの技術は、イオントラップ方式による汎用的な大規模量子コンピュータの実現を非常に現実的なものにしている。2018年4月現在、最大で20個のイオン間の量子もつれがこの方式で制御可能であることが分かっている[2][3][4]。