アガスティヤ
インド神話に登場する聖仙 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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アガスティヤ (Agastya, 梵: अगस्त्य) はインド神話に登場する聖仙。ヴァルナ神・ミトラ神の子。七聖には含まれないが、すでに『リグ・ヴェーダ』にその名が見え、叙事詩にも登場する[1]。
神話によると、あるときヴァルナ・ミトラ両神はアプサラスのウルヴァシーに見とれ、精をもらした。それは水がめに落ち、その中からそれら神々の子としてアガスティヤとヴァシシュタが生まれたという。アガスティヤの別名カラシスタ(「水がめの子」の意)、クムバサムバヴァ(「水がめの中で生まれたもの」)、ガトーッドバヴァ(つぼの中で生まれたもの)[1]、クンバヨーニ(「壺から生まれた者」の意)[要出典]はこの出来事に由来する[1]。
『マハーバーラタ』によると、妻ローパームドラーを創造したこと、ヴリトラの残党(カーレーヤあるいはカーラケーヤ)から世界を救うために海水を飲み干したこと、ナフシャを呪って大蛇に変えたことなどが述べられている。
アガスティヤは南インドとのつながりが深く、『マハーバーラタ』ではヴィンディヤ山脈との約束によって南方に移り住んだことが伝えられている[2]が、このためアガスティヤは最初の南下者であるとされる。主に南インドを舞台とする『ラーマーヤナ』ではラーマ王子の協力者として登場し、ラーマに黄金弓ブラフマダッタを授けたとされる。またアガスティヤはタミル語文学の祖ともいわれ、今でも南インドでは崇拝の対象となっている。