ほくろ
ウィキペディア フリーな encyclopedia
「黒衣」とは異なります。 |
ほくろ(黒子、黶、英語:mole)は、メラニン色素を含む細胞、即ちメラノサイトが、皮膚の一部に周囲より高い密度で集まってできた母斑の一種。
メラノサイトが一層に並んでいるものを、狭義の黒子(こくし、lentigo)と言い、メラノサイトが重層し、しばしば持ち上げられた表皮が盛り上がって見えるものを色素性母斑(pigmented nevus)あるいは母斑細胞性母斑(nevus cell nevus/nevocellular nevus)と言う。また、この場合、母斑を形成するメラノサイトを特に母斑細胞(nevus cell/nevocyte)と呼ぶ。
体表からは、黒く見えるのが一般的であるが、皮膚の深い部分でのメラノサイトの増殖の場合、青く見えることもある(青色母斑という)。一般には過誤腫的なものと考えられているが、WHO分類では色素性母斑に限っては良性腫瘍として扱い、組織型のICD-Oコード付けが成されている(8720/0など)。
分類の方法は複数あるが、基底層(表皮層と真皮層の境界)にあるものを境界母斑、すべてが真皮層にあるものを真皮内母斑して区別する[1]。
ほくろから生じる体毛は、しばしば周囲の皮膚の産毛よりも太く長く発達し「ほくろ毛」とも呼ばれる。原因ははっきりとはわかっていないが、ほくろ部分でメラノサイトが他より多く増殖するのと同様に毛母細胞も活発化しているためとも、毛髪を黒くしているメラニン色素が多いためとも言われる。ほくろ毛にも他の毛髪と同様に生え変わりのサイクルがあり、毛根部の肥大やメラニン色素が毛に吸収されることで、毛のあるほくろは色や大きさが変動することがある。