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セイヨウリンゴの一品種、国光とレッドデリシャスを交配して作られた ウィキペディアから
ふじは、農研機構(旧青森県南津軽郡藤崎町の農林省園芸試験場東北支場)で1930年代後半に育成され、1962年に品種登録されたリンゴの品種で、レッドデリシャスと国光の2種類のリンゴを交配したものである[1]。
1939年、ともにアメリカ原産の「国光」に「デリシャス」の花粉を交配して、得た2,004粒の種をまき、その中から選抜された。東北7号として各県の試験場で性質が調査され、「ふじ」と命名され、1962年にリンゴ農林1号として登録された。
「ふじ」は果樹研究所の前身である農林省園芸試験場東北支場のあった、青森県藤崎町で育成されたが、その後研究所が岩手県盛岡市に移転するに伴い、原木も1961年に青森県藤崎町から岩手県盛岡市に移植されている。リンゴは、原則として原木から採取した枝(穂木)をいろいろな系統の台木用品種に接ぎ木してしか増殖できないため、世界中のすべての「ふじ」はこの原木の枝を接木して増殖されたものである。
公式には育成された青森県藤崎(ふじさき)と富士山にちなむ[2]。さらに発案者の一人が女優の山本富士子のファンであったことも命名の理由である[3]。
なお、中国では「富士苹果」、欧米では「Fuji」と、それぞれ日本同様の名前で親しまれている。
ふじの平均的な大きさは野球ボール程度の大きさである。糖度は 14 - 16 % である。また、賞味期限が長く、室温で4ヶ月、冷蔵で7ヶ月程度である[2]。
袋をかけて育てるのをふじ、袋をかけずに育てたものがサンふじとして流通する。袋をかけた方が赤くきれいに着色するが、糖度などは無袋栽培にして、太陽光を多く浴びた後者の方が勝るとされる。
2018年にはJAつがる弘前より、リンゴの生鮮食品としての機能性表示届出は第一例目となる、リンゴ由来プロシア二ジンを関与成分とした「プライムアップル!(ふじ)」が販売された[4]。内臓脂肪を減らす効果が期待される。
日本においては、ふじは2006年には 460,000tが収穫され、リンゴ収穫量の 55%を占めている。収穫量が多いのは青森県で 226,000t、次いで長野県の 115,000tである[5]。2019年においても359,300t(全体の51%)と高い人気を誇っている[6]。
日本国外では、ふじの人気が高まっている。2000年における中国ではリンゴ生産量 2000万 t の 45%がふじである[7]。2016年には約70%を占めた[8]。アメリカ合衆国では、1980年代に市場に入って以来、消費者の中での人気が高まった。ふじは米国リンゴ協会の2003年リンゴ人気ランキングでデリシャス、ゴールデンデリシャス、ガーラに次いで4位であった。2016年には3位に上昇した[9]。ふじはワシントン州やニューヨーク州、カリフォルニア州といった伝統的なリンゴ産地でもふじへの国内外の需要の変化により生産されている。デリシャス発祥の地であり、アメリカの半分のリンゴを生産しているワシントン州では、年に 135,000tのふじが生産されており、ふじ以上に生産されているのはデリシャスとゴールデンデリシャスのみである。
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