きえる快速車
藤子不二雄による日本の漫画(合作) / ウィキペディア フリーな encyclopedia
『きえる快速車』は、久米みのる原作・藤子不二雄作画(合作)による日本のカーアクション漫画。 ゼロ戦の技術で作られたエンゼル号が、世界の強豪たちとレースで競ったり、悪人と戦ったりする作品で、1963年(昭和38年)に週刊少年マガジンに連載された[1]。
![]() |
きえる快速車 | |
---|---|
ジャンル | カーアクション漫画 |
漫画 | |
作者 | 藤子不二雄(合作) |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 週刊少年マガジン |
発表期間 | 1963年3/17号 - 1963年6/23号 |
巻数 | 全1巻(曙出版) 全2巻(小学館など) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
2人で1人の漫画家、藤子不二雄の初期の傑作の一つ[2]。 安孫子がメインで執筆しているが、藤本も数多くのキャラクターを作画担当し、藤本がほぼ描いているページも存在するなど、藤子不二雄の合作の中では分担比率の偏りが少ない部類に入る[3]。 安孫子作画の勇ましい少年に、藤本作画の美しい少女が抱きつく場面等を見られる稀有な作品[3]。
藤子のコンビ解消後は、権利の都合上藤子不二雄Ⓐ(安孫子素雄)作品として扱われている[4]。 合作作品としての認知度が低く、合作比率が高い割に、語られる機会は決して多くない。
「藤子不二雄Ⓐデジタルセレクション」の『きえる快速車』全2巻で読むことができる。扉を除く漫画本編の総ページ数は223ページ。
原作者として久米みのるがクレジットされているが、元々の小説等があったわけではなく、藤子不二雄の連載漫画用に原作が執筆されている。
このことは藤子不二雄の著書『まんが きみもまんががかける!《入門編》』(若木書房1976年)に詳しく、P.187では「原作つき漫画」の例として『きえる快速車』の原作の原稿(マス目の原稿用紙に執筆されている)が紹介されている。それによると、エンゼル号の初登場シーンは「全身が、銀色の車体が、照明で一段と輝いている。今まで、見たことのない、どくとくのスタイル!!」とだけ書かれており、藤子はそれに対し「マンガではそれをハッキリと絵にしなければならない」と述べている。また、すべての場面が原作に記されていたわけではない(例えば作品冒頭で零太郎の妹が熱海清に賞状を渡すギャグシーンは、熱海清のキャラクターを読者に印象づけるために藤子が追加した場面である)ことが語られている。