がん幹細胞
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がん幹細胞(がんかんさいぼう、英: cancer stem cells=CSC)は、がん細胞のうち幹細胞の性質をもった細胞である。体内のすべての臓器や組織は、臓器・組織ごとにそれぞれの元となる細胞が分裂してつくられる。この元となる細胞(幹細胞)は、分裂して自分と同じ細胞を作り出すことができ(自己複製能)、またいろいろな細胞に分化できる(多分化能)という2つの重要な性質を持ち、この性質により傷ついた組織を修復したり、成長期に組織を大きくしたりできる。がんにおいても、幹細胞の性質をもったごく少数のがん細胞(がん幹細胞)を起源としてがんが発生するのではないかという仮説があり、これをがん幹細胞仮説という。がん幹細胞は1997年、急性骨髄性白血病においてはじめて同定され[1]、その後2000年代になって様々ながんにおいてがん幹細胞が発見されたとの報告が相次いでいる。