制御構造
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制御構造(せいぎょこうぞう)は、コンピュータ・プログラミング言語、特に手続き型プログラミング[1]や命令型プログラミング[2]において、ループや飛び越しなどといった、手続き(プロシージャ)中の実行順を順次実行から変化させたり、サブルーチン呼出しやその戻り、などといった制御を行う「文 」などの構造(言語の構成要素)である[3]。
制御構造の種類は言語によって様々だが、典型的には以下のようなものがある(用語「ブロック」については、ブロック の記事を参照)。
- 無条件に実行箇所を移動する(無条件の分岐命令、ジャンプ)
- 何らかの条件の成立・不成立に従い、ブロックの実行・不実行を選択する(条件付き分岐命令、選択)
- ブロックを繰り返し実行する(ループ)
- ジャンプの一種だが、その続きに戻れるもの(サブルーチン呼出、コルーチン)
- 継続(特にcall/cc)
- プログラムの停止(理論的には重要だが(停止性問題を参照)、実際的にはexitシステムコールなど、OSのプロセス制御機構を使うことが専らであり、言語機能として制御構造で持つ意味は無い)
割り込みとシグナルは制御フローを変化させる別の機構であり、サブルーチンに似ているが、通常は言語内からではなく外部のイベントなどの結果として非同期に発生するものである(言語内から外部のイベントを引き起こし、結果として発生させることもできる例もある。たとえば、ゼロ除算などでそのようになるシステムがある)。自己書き換えコードも副作用によって制御フローを変化させることができる。割り込み的なものを扱うことができるプログラミング言語(の機能)はいくつかある。自己書き換えをプログラマが明示的に扱えるプログラミング言語はあまりないが、初期化の時だけ特別扱いが必要といったコードの最適化に自己書き換えを利用する、処理系の実装上のテクニックといったようなものもある。
機械語において制御構造に相当するのは分岐命令で、通常は連続的にカウントが進められるプログラムカウンタを、不連続に変更する命令である。ほぼ全てのプロセッサは(条件付きおよび無条件の)分岐命令を持つ(無いと、理論的に言うと計算可能性を満たさないため、コンピュータとして成立しない)。また、サブルーチン呼出しを(大なり小なりハードウェアによる支援を含んで)サポートする命令を持つプロセッサが多い(こんにち存在する汎用プロセッサの著名なISAでこのサポートの無いのは、60年代の設計であるIBMのSystem/360ぐらいであろう)。全くハードウェアによるサポートが無いと、サブルーチン呼出しに面倒なトリックが必要なことがある。一方で前述のような、ループの処理(レジスタの値をデクリメントし、ゼロでなければジャンプ、といったような)を直接サポートするような命令を持つプロセッサは、専用命令として積極的に持つものもあるが、一般にはあまり多くなく、特にいわゆるRISCでは避けられる。そのため、コンパイラのコード生成は制御構造からジャンプ命令等を適宜組み合わせたコードを生成するように実装される。