腰椎穿刺
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腰椎穿刺(ようついせんし)は脊椎穿刺(英語: Lumbar puncture又はspinal tap [注釈 1])とも呼ばれ、診断・検査のために脳脊髄液(または髄液)を採取するために、脊柱管に針を挿入する医療処置である。腰椎穿刺の主な理由は、脳や脊髄を含む中枢神経系の病気の診断に役立てることである。これらの状態の例には、髄膜炎およびくも膜下出血などがある。条件によっては疾患の治療目的に行われることもある。頭蓋内圧(頭蓋骨内の圧力)が既に上昇している場合は、脳実質が圧力により脊髄に向かって押し出される(脳ヘルニア)リスクがあるため、禁忌である。場合によっては、腰椎穿刺を安全に実施できないことがある(たとえば、重度の出血傾向)。安全な処置と見なされているが、硬膜穿刺後頭痛(Post Dural Puncture Headache: PDPH)(英語版)は、細い非カッティング針[注釈 2]を使用しない場合によく起こる副作用である[1]。
この手順は通常、無菌的に局所麻酔下で行われる。専用の注射針(脊椎針)を使用してくも膜下腔を穿刺し、髄液を採集する。髄液は、生化学的、微生物学的、および細胞学的分析のために検査室に送られる場合がある。穿刺の位置決めに超音波を使用すると、成功率が高まる可能性がある[2]。
腰椎穿刺は、1891年にドイツの医師ハインリヒ・クインケ(英語版)によって初めて行われた。