ゴンドール
ウィキペディア フリーな encyclopedia
ゴンドール(Gondor)は、J・R・R・トールキンが創作した中つ国を舞台とする伝説体系に登場する架空の王国であり、第三紀末の中つ国における西方人のもっとも偉大な国家とされる。『指輪物語』の第三部「王の帰還」では、ゴンドールにおける指輪戦争での出来事と戦後の王国の復古が大きく関わってくる。王国の歴史は、同「追補編」で概説されている。
概要 ゴンドール, J・R・R・トールキンの伝説体系の舞台 ...
ゴンドール | |
---|---|
J・R・R・トールキンの伝説体系の舞台 | |
別名 | 南方王国 |
種類 | 亡命したヌーメノーレアンの南方王国 |
支配者 | ゴンドールの王、ゴンドールの執政 |
主な場所 | 中つ国北西部 |
首都 | オスギリアス、のちミナス・ティリス |
建国者 | イシルドゥルとアナーリオン |
閉じる
ゴンドールは、ヌーメノールの島の崩壊を逃れたイシルドゥルとアナーリオンの兄弟によって建国され、北方のアルノールとならぶ南方王国、西方人の最後の本拠地として機能した。初期の拡大の時代を過ぎると、ゴンドールは第三紀を下るにつれて衰退の時代に入り、内戦や冥王サウロンの同盟者との戦いを通してしだいに弱体化してゆく。やがて指輪戦争の頃にはゴンドールの玉座は空位となっていたが、諸侯は王権を代行する執政に従うことで不在の王を尊重し続けていた。ゴンドールの覇権と繁栄は、サウロンの最終的な敗北とアラゴルンの戴冠によって取り戻されることとなる。
ゴンドールの歴史と地理は、トールキンが初期のコンセプトをベースとして『指輪物語』を執筆しその伝説体系を拡張してゆくなかで生み出されていったものである。評論家は、教養があるが生気に乏しいゴンドールの執政と、トールキンが好んだアングロ・サクソン人をモデルとした簡素ながら活発なローハンの指導者たちとの対比を特筆する。また、研究者はノルマン人、古代ローマ、ヴァイキング、ゴート族、ランゴバルド人、そしてビザンツ帝国といった現実の歴史上の存在とゴンドールとの相似に注目している。